もとまつ社長の忘備録
はじめに
リダイレクト設定に関するトラブルで、ある日、社内サイトで運用しているブログ記事(例:/○○/blog/straight-neck-exercise/
)が、Google検索に表示されていないことに気づきました。

Search Consoleで確認すると、ページは「インデックス未登録」の状態。
一見、登録漏れかと思いきや、調査を進めると次のような流れが明らかになりました:
- 過去に存在していた2つの旧URLが、新しいURLに対してリダイレクト設定されていた
- その後、不要と判断してリダイレクト設定を解除
- すると、新URLが未登録状態のまま検索結果から消えてしまっていた
今回はこの事例をもとに、「URL変更時にリダイレクトを設定すべきかどうかの判断基準」と、「リダイレクトを解除する際の正しい手順」をまとめておきます。
リダイレクトをすべきか?判断基準
✅ リダイレクトを設定すべきケース
- 旧URLがインデックスされており、アクセス実績や被リンクがある
- コンテンツ内容は変わらず、URL構造のみを変更した
- ブックマークや外部サイトで旧URLが使用されている
- 評価を新URLに引き継ぎたい場合
→ このような場合には、301リダイレクトを設定してSEO評価の継承を図るのが適切です。
❌ リダイレクトが不要なケース
- 旧URLがインデックスされておらず、ほとんどアクセスがない
- コンテンツの役割が終了しており、後継ページとの関連性が薄い
- ページ自体の評価が未成熟・非公開期間が長かった
- サイト構造をシンプルに保ちたい、またはメンテナンス負荷を抑えたい場合
→ こうした場合、リダイレクトをせずに削除し、410(Gone)で終了扱いとする方が長期的に健全です。
実際の対応フロー(2025年6月5日 対応記録より)
1. 新URLがインデックス未登録であることを確認
例:/○○/blog/straight-neck-exercise/
Search ConsoleのURL検査で「登録されていません」の状態を確認。
2. 過去のリダイレクト設定を確認
以下2つの旧URLが、以前は新URLにリダイレクトされていた:
/○○/○○/extreme/straight-neck-exercise/
/○○/○○/extreme/head-tilted-forward/
その後、リダイレクトを削除したことが、新URLの未登録につながったと推測。
3. 旧URLを410(削除済)として処理
使用中のSEO関連プラグインで、上記2件の旧URLを410 Goneとして設定。
4. 新URLのページをCMS上で再公開
該当記事を公開状態に戻し、ブラウザで200 OK になることを確認。
5. サイトマップの再生成と送信
プラグイン設定からサイトマップを再生成し、Search Consoleへ送信。
6. Search Consoleでインデックス登録をリクエスト
新URLに対して「インデックス登録をリクエスト」を実施。
リダイレクトの落とし穴:そのまま放置が技術的負債に
リダイレクトは手軽に設定できる反面、運用管理の手間が残り続けるリスクがあります。
- リダイレクトチェーン(A→B→C→D→404)の発生
- サイト構造が複雑化し、表示速度やクロール効率に影響
- 管理者が交代すると「なぜこのリダイレクトがあるのか分からない」状態に
- 将来の解除・整理に時間がかかる
リダイレクトは「設定」ではなく「継続管理」が必要な作業であると認識しましょう。
リダイレクト解除時のチェックリスト
- Search Consoleで対象URLを検査
ステータス、インデックス状況、リダイレクト状態を確認。 - リダイレクト設定を削除
使用中のSEOプラグインやサーバー設定(.htaccess等)で該当設定を除去。 - サイトマップの再生成と再送信
- 内部リンクの再チェック
古いURLを参照している箇所がないか確認し、必要に応じて修正。 - 外部リンクの確認(必要に応じて)
旧URLに重要な被リンクが集中していないか確認。 - 一時的な削除ツールの活用(任意)
旧URLが検索結果に残っている場合は、Search Consoleの一時削除ツールで非表示に。
おわりに:URL変更は「価値あるページ」かの見極めから
URLの変更や統合は、コンテンツ運営において日常的な作業です。
ですが、「そのページが検索エンジンやユーザーにとってどれだけ価値を持っていたか」を見極めることが、リダイレクト設定の出発点です。
無評価のページにリダイレクトをかけても、将来的な手間が増えるだけ。
逆に、育ってきたページは丁寧に評価を引き継ぐ処理が必要です。
リダイレクトは、設定することよりも「するかどうか」を見極める判断が9割。
それを見誤らないよう、これからもURL設計をしていきた